O-den.
寒さが深まるにつれて、温かな料理が恋しくなるのは当然というものです。
例えば、おでん。
ちくわや大根、卵にこんにゃく等々、様々な具材が鍋で踊る様子は見ているだけで楽しくなります。
日本酒があれば、最早天国ですね。
しかしながら、流石にイタリア料理店で其れを体験する事は叶いません・・・・・・と御思いでしょうけれど、実はあるのですよ。
そう、おでん。
まあ、厳密にいえば、おでんではないのですけれど、イタリア風のおでんと言いますか、其れに類する料理があるのです。
其の名は【ボリート】。
北イタリアはピエモンテの郷土料理なのですけれど、イタリア語で【煮る】という名の通り、様々な素材を似た料理なのです。
勿論、スタイルは家庭や店舗によって様々ですけれど、LA BETTOLA da Ochiai Toyamaのボリートは此方。
照明を当て過ぎた感が否めませんけれど、実に美味しそうです。
ぱっと見ただけでは何が何か解り難いかと思いますので、番号を振って御紹介します。
1.牛タン
2.牛ホホ
3.群馬県産秀味豚の肩ロース
4.佐賀県産麓赤鶏
5.コテキーノ(イタリアのサラミ)
6.富山県産の紅芯大根
7.富山県産の人参
8.富山県産のプチヴェール
見え辛いですけれど、チリメンキャベツや玉葱等も入っています。
色々な素材が共存する様子は、まさにおでん。
此のボリート、其のままでも充分過ぎる位に美味しいのですけれど、更に美味しくするアイテムが此方。
今度は照明が少な過ぎですね。
まあ、其れはさておき、薬味が2種類。
手前の赤い方が【ンドゥイヤ】。
以前にも紹介したカラブリア原産の唐辛子と豚のラルドを合わせたペストです。
唐辛子のピリッとした辛さと豚の脂の甘い余韻が感じられます。
奥の緑の方が【サルサヴェルデ】。
直訳すると緑色のソースという意味で、一口にサルサヴェルデといっても多様なのですけれど、今回はパセリやミント、ケッパーやシードルヴィネガー等を合わせたソースです。
ほのかな青味と爽やかな酸味が調和したソースはどの食材と合わせても相性抜群。
2種類の薬味と10種類程の素材、其の組み合わせは幾通りにも及びます。
そして、忘れてはいけないのはスープです。
様々な食材の旨味が溶け出したスープは、極上の一言に尽きます。
最早食材の為にスープが存在するのか、スープの為に食材が存在したのか解りません。
スープを味わって頂きたいが為に、エスプレッソカップに注いで、別に添えてある程ですからね。
確かな事は、どちらも美味しいという事だけです。
日本酒こそありませんけれど、皆様の御来店をスタッフ一同御待ち申し上げております。